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Report.12“ボクの、なつやすみのこーさく”

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……またまた、暑い!

一時期は梅雨が戻った来たのかと思うような天候が続き、このまま秋に突入かと思われたが、いかにも夏らしい夏が復活した。

震災と原発事故以来、経済も思わぬところで影響が出ているらしく、仕事も例年の同時期に比べて減っており、困った困ったという感じなのだが、その代わり時間だけはタップリできてしまった。

この機に乗じて映画の準備を進めて……と思っていたのだが、暑さで体は動かないし、具体的な撮影準備を進めようとしたときに限って細々とした仕事が入ったりでスケジュールも随分遅れてしまった。

とはいえ、少しずつでも前へ進まねばならない。

――― とりあえず、以前から考えていた「超低予算タイプ弾着・爆破シーン用装置実験」を行ってみることにした。

アクション系映画を撮る際、爆発や弾着は必須になるが、原則としてスタッフに劇用火薬取り扱い免許取得者がいることが条件となり、また劇用火薬の費用もけっこうかさみむ。
大きさや種類にもよるが、おおむね一発が500円~2000円程度で、特殊な調合だったり大型のものだったりすると万単位になることもザラだ。
大量に使うとなるとバカにならない出費を強いられることになる。

TEPPROJECTでは常連メンバーの高山君が免許取得者であるため火薬の使用そのものに法的な問題はなく、また彼の手によって作られた安全性と信頼性の高い電気着火装置が長年活躍している。

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 『VISUAL BANDITS』メイキング映像より。
 高山君製作の電気着火装置。

弾着用火薬のコードをソケット式に接続。
このままでは通電していないが、左手側に安全装置のレバーがあり、このレバーを指で前に倒し続けることによって通電する。
中央にはオーディオ機器のボリュームを思わせるダイヤル式スィッチがあり、これはカチカチとラチェット式で回り、そのたびに通電する。
弾着コードをワンタッチで接続して左側の安全装置レバーを倒し、ダイヤルを回すと24連発まで電気着火による爆破が可能。
連続して通電させて火薬を次々と破裂させる仕組みを、その形状より昔から「シャミセン」と呼ぶが、それにちなんでこの装置を「ハイテクシャミセン」と呼んでいる。
高山君 苦心の逸品である。

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『VISUAL BANDITS』メイキング映像より。
電気着火装置の使用風景。

……これは相当便利かつ安全な品で、今回の作品でも大活躍しそうだが、それでも火薬の費用や、現場でのセッティング時間などの問題は残る。

そこで、100均やDIY店で買える手軽な材料を利用して、以前から考えていた火薬を使わない「簡易弾着」の方法を試してみることにした。

海外の映画でも圧搾空気による吹き上げを利用した爆発の表現が見受けられるが、それの超低予算・ミニチュア版というわけだ。
これなら役者さんがケガをすることもなく、また騒音も無いので安心してどこでも使える。

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オモチャ屋さんやパーティーグッズ店などで安価で売られている足踏み式簡易ポンプ。
水遊び用の浮き輪やプールに空気を入れる、お馴染みの道具。
これにビニールチューブを取り付ける。
踏みやすいように、下面には木の板を貼り付けた。

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弾着に見えるように砂煙を噴き出させるための容器。アルミパイプを台座となる金属板にエポキシ系接着剤で頑丈に固定。台座は転倒防止のウェイトも兼ねて、厚さ5ミリの重い鉛板を使用。
目立たないように艶消しブラックで塗装してある。

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容器から噴き出させる砂煙用の粉はセメントによく乾燥させた昆虫飼育用の木屑を混入したものを試しに用意した。ただ、これでは粉末が細かすぎるので、コルク片や軽石のカケラなども混ぜたほうが良さそうだ。

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装置の全景。
容器に粉を入れ、ポンプを踏めば、その風圧で容器から粉が吹き出すという、ナントモ単純明快、激安特価なシロモノである(笑)

果たしてこんなもんが役に立つのか?

とりあえずテストをしてみた。

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……作った本人がチョット吃驚するほど、良い調子である。

容器とポンプをつなぐビニールチューブは3メートル以上の長さだが、それでもポンプをポン!と踏むと、画像のように50センチ以上の高さの砂煙が勢いよく上がってくれる。

空気を送る方法はいろいろあるだろうが、例えば自転車用空気入れなどではシューッと比較的長時間に渡って空気が放出されるので、容器内の粉もガスがとめどなく漏れているような感じで吹き上がってしまうのに比べて、この簡易ポンプだと、ポンプ内に収まる空気の容量が少ないうえに、足で素早く踏むことによって瞬発的に空気が吹き出るため、弾着、爆発の効果のように見えてくれる。
何しろ、壊れても惜しくない程度に安価なのがいい。
これならば、ハイスピード撮影の有無によって、ドラマ部分での弾着、特撮シーンでの爆発など、いろいろと応用が効きそうだ。

問題は、さすがに低予算の産物なので(笑)ビニールチューブに少しでも折れ目がついていて空気の流れに支障があるとまったく使い物にならないことで、これは折れ目を防げるワイヤー付きのチューブに換えたほうが良さそうだ。
また足踏みポンプも基本は単純なオモチャみたいなもので耐久性も芳しくなく、装置自体の「賞味期限」が短そうだ。
これは例えばPCのキーボードやカメラ機器のクリーニングに使う缶スプレー式ブロアーに換えて、瞬発的にガスが放出できる弁を考えるてみるなど、今後もいろいろと試してみようと思う。

先にも述べたが、火薬を使わずに弾着や爆発が表現できると、出演者のケガを心配する必要がなくなるだけでなく、騒音も出ないので近所迷惑にもならない。特撮シーンで使う場合は、火薬の熱で撮影用ミニチュアが溶けたりして破損する危険性も皆無となり、さらに火薬代の節約にもなる。
こういった装置だけを使ったのではさほど迫力あるシーンが撮れるとは思えないが、ある程度の火薬の効果と併用することによって、かなり変化に富んだ画面作りができそうだ。

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