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2012年10月

“特撮博物館” 探訪録.

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「特撮博物館」で撮影した写真と簡単な動画を使って、4分ほどのビデオクリップを製作してみました。


※下記URLよりYouTubeにてご覧下さい。

「“特撮博物館” 探訪録.」
http://www.youtube.com/watch?v=_6e_WJWxAiY&feature=youtu.be


2012年 7/10~10/8に東京都現代美術館で開催されていた『特撮博物館』を見学してきました。
まさに、温故知新……昭和30年代から日本の特撮映画で使用された各種のミニチュアモデル、ミニチュアセット、小道具、機材類が豊富に展示され、細やかな解説がなされた、至れり尽くせり、愛を感じる特撮博覧会でした。

当時の技術者の皆さん、職人の皆さんのモノツクリに対する、執念とも思える情熱……これはいくら技術が発達したとしても、見習わねばならないと痛感しました。

なかには学生時代から映像を本職とするまでに自分でも経験してきたお馴染みの技術も多く見受けられ、個人的には「大変親切で大がかりな“おさらい”」をさせて頂いた気分でもありましたが、同時にミニチュア特撮というものは、基本は昔ながらの技術であっても、新しい材料、新しい機材の導入と、そして何よりも作り手の卓越したセンスによって「誰も観たことがないような映像」の魅力を現代に於いても発揮できる懐の深さ、そして無限の可能性を秘めていることを確信した一日でした。

現在製作中の『消滅戦街道』でもミニチュア撮影を主とした特撮を多用することとなりますが、ドラマ・パートが進行する中、僕個人としては「せっかくの俳優さん達の演技を殺さない特撮を使わなければ!」と、一種の強迫観念にとらわれています。

しかし、いくらキツクても「モノツクリ」というのは本来、楽しいものです。

今回の特撮博物館は、それを改めて教えてくれたように思います。



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“Nightmare Of The Papio”  アイドル都市伝説 『猿夢』

Nightmareofthepapio01



―――― これは僕個人の自主映画創作活動ではなく、純粋に仕事の話題ですが、2012年8月に撮影、9月に仕上げた短編ホラードラマの放映・配信が決まりました。



アイドル都市伝説シリーズ 『猿夢』


主演:加藤 里保菜 
    (エイベックス iDOL Street e-Street TOKYO)

監督:宮本 拓


※「スカパー!」10月28日13:00~13:30・20:00~20:30
    (以後1ヶ月間インターバル放映).

※ Pigooオンデマンド(PigooHD)にて10月28日より1ヶ月間 ネット有料配信.
 

http://ondemand.pigoo.jp/products/detail.php?product_id=23548


                   【PLOT】

明晰夢の中で、アンナは不思議な少女と出会った。
少女は夢を“記憶と願望が創り出した世界だ”と言った。
逃げ場の無い夢の中、次々とアンナの周囲の人間が惨殺されていく。
朝になり目を覚ましたアンナは、ほっと胸を撫で下ろすが、次の日も、また次の日も夢は続くのだった。
いつしかアンナは、眠ることを恐れるようになっていた…。


http://www.youtube.com/watch?v=3EsLYNWAAvo&feature=player_embedded



……僕としては約20年ぶりに監督を担当したホラー作品です。

このブログでも製作状況をリポートしている僕の自主映画『消滅戦街道』に役者として出演してくださっている比呂 啓さんからお誘いを受けたことがキッカケでした。
比呂さんの本職はディレクターで、数々の番組の仕事を手がけながら自主映画もお撮りになっているのですが、今回 彼がこの「アイドル都市伝説」シリーズに参加するにあたって、シリーズ12本を製作するにはスケジュールの都合もあり監督の人数が足りないということが判明して、宮本なら劇用・商業作品のドラマ演出をやっているから慣れているだろう……と、不肖ワタクシにお声をかけていただき、本作『猿夢』の脚本を選ばせて頂きました。

現在、映像の業界は全般的にかなり厳しい環境にあり、何処も相当苦労しながら頑張ってコンテンツ制作をおこなっているのですが、このシリーズも例外ではなく、様々な特殊効果を使用するホラー物で、なおかつ東京から離れる遠距離ロケがあり、その環境で若いアイドルの方が主演を努めるということを考えると、いやはやナカナカ……かなりキツイ条件での製作となりました。

…30分(正味28分)のテレビ放映用ドラマで、撮影日数は2日間。
スケジュールの都合もあって、主演の加藤里保菜ちゃんをはじめとするキャストの皆さんと事前に打ち合わせをしたりホン読みをする時間が残念ながらとれず、撮影当日に初対面で、挨拶もそこそこに撮影開始という状況で、またキャメラマンをはじめとするメインスタッフの皆さんとも簡単な打ち合わせとメールのやり取りだけでコンセンサスをとって現場に臨むといった具合で、脚本内容を考えると、こりゃあ果たして2日で撮り切れるかなァ?と多少の不安がありました。

……しかし、いざ撮影を開始してみると、主役の里保菜ちゃんが事前に脚本内容を隅から隅まで頭に入れて、台詞を完全に覚えて、演じるべきキャラクターも作り込んできてくれたのでNGを出すことがまず無く、また脇を固めるサブキャストの皆さんもそれぞれ脚本内容を充分理解して現場に来てくれたので、演出・演技の面での時間的ロスが無く、これには本当に助けられました。
演出屋のハシクレとして、里保菜ちゃんの熱意と仕事に対する姿勢には本当に感銘を受けました。

撮影前に脚本内容を把握して役作りなどの準備を整えておくというのは、役者さんやタレントさんならば当然の仕事だとおっしゃる方もいるでしょう。
しかし「言うは易く行うは難し」というヤツで、シビアなドラマの撮影現場で、初対面のうえに時間が極端に厳しい状態でこれをスムーズにやれと言われても、皆が皆うまくやれるわけではありません。
人は若いときには吸収力も適応力も優れているものですが、役者さんの場合は年齢に関わらず脚本の“行間を読む”というか、間の取り方や表情の作り方など独特の“勘”が必要となってきます。
それを考えると、今回は本当にキャスティングに恵まれた作品になりました。
主演の里保菜ちゃんをはじめとする出演者の方々全員、事前のリハーサル等の準備もなしに現場で初対面だったのにも関わらず、見事に演じてくれました。

……有名な監督さんならいざ知らず、僕のようなヒネクレた映像演出屋に絶賛されても、ご本人たちにとってはあまり嬉しいことでもないかも知れませんが(笑)
僕としては2日間の撮影を通して主演の里保菜ちゃん、そして他の皆さんの様子を拝見して、今後の活躍が本当に楽しみな方々ばかりだと思いました。

またスタッフの皆さんも、実際には他のシリーズ作品の現場に出ずっぱりで疲労困憊しているにもかかわらず、丸2日間 全力投球で頑張ってくれたので、予定していたカットを撮り終えたばかりか、当初予定になかったイメージシーン等も余裕を持たせて撮ることができました。
これには本当に大感謝です。
実際 僕自身も、里保菜ちゃんたち出演者の皆さんの熱心な姿勢を見て、そして、これから羽ばたいていく若いアイドルの方の初主演作品を監督するということで、映画やドラマ……映像作品というものは何十年も後々まで残るわけですから、いつもより責任重大だなァ!と気を引き締めて仕事にとりかかったのも正直なところです。

それにしても、僕など体力がないのでこの1本を仕上げたらけっこう疲れてしまいましたが(笑)このシリーズ、一人で数本を監督されている方もおられます。
その体力には脱帽してしまいます。

テレビ放映を目的としているため当然HD収録で、そのため編集には予想以上に時間がかかりましたが……せっかくの撮影素材の魅力を殺さないように、少し色調や画調を変えてみよう、隠し味でデジタル合成を使おう、フィルム調に変換して味を出してみよう……などと工夫していたら、編集そのものよりも「後処理」に随分と時間がかかってしまいました。
とは言え その甲斐あって、何しろ撮影現場はキャメラの三脚を立てる時間も惜しいほどの慌ただしさだったわけで、あの状況から創出した作品としては、役者さんの100点の演技に対して映像の面でもナントカ及第点の仕上がりにはなってくれたのかなァと思っています。

ただ……このホラードラマシリーズの新作 全12話中、恐らく僕の作品が「いちばん怖くない」かも知れません(笑)

これは、若手の脚本家の方と打ち合わせをしながら内容をまとめる段階からのひとつの作戦ではあったのですが……普通のホラーというよりは不思議な味わいのファンタジーにしてみようかということで、もしかすると少女漫画の世界に近いように思います。
これが、主演の里保菜ちゃんの個性(トレードマークのメガネを外して熱演してくれました。あのメガネはファッションではなく、度付きなのだと撮影後に知りました。まったく申し訳ないことをしました)や、他の出演者の方々のキャラにうまくマッチしてくれたように思います。

……古い話で恐縮ですが、大昔にテレビ放映で観て強く記憶に残った映画で、エドガー・アラン・ポーの小説を原作とした『世にも怪奇な物語(原題: Histoires extraordinaires)』(1967年作品)というオムニバス作品があり、僕としてはこれの現代女子高生版といったテイストを意識していたのですが……いやぁ、ホラーというのは難しいですね!
映画・ドラマというものは「怖がらせるより笑わせるほうが難しい」とよく言われますが、観客・視聴者の皆さんが予想できないアイデアで「楽しく怖がらせる」ことのできる優れたホラー作品を撮るセンスを持つ監督さんを僕は尊敬します。これはなかなか真似できるものではありません。
また、ジャパニーズホラーのネタがもう出尽くしたように感じる今、完璧に新しいモノをつくるというのは極めて困難なことだと痛感しました。
そこで、ホラーではお約束の「びくっ!」とするような脅かしの演出は敢えて押さえて、全体的に不可思議な空気感というか、夢なのか現実なのか、昼なのか夜なのか、全体の時間軸が合っているのか狂っているのかさえわからなくなるような不安感を演出してみようと試みましたが……サテハテ、視聴者の皆さんがどうお感じになるか……(笑)


そんなわけで、『猿夢』は怖さを楽しむ普通のホラードラマというより、ちょっと「変化球投手」的な作品です。
観ていて何かしら不条理を感じる、不思議でチョット怖いファンタジーとしてご覧頂き、そして16歳でドラマ初主演にかかわらず複雑な役どころに挑戦してくれた加藤里保菜ちゃん、謎めいた少女を好演してくれた村上七重ちゃん、恐ろしい目に遭う同級生を熱演してくれた北山 亜莉沙ちゃん、宮沢 佳奈ちゃん、桃瀬 あゆみちゃん……彼女たちの豊かな個性が創り出した独特の世界観を楽しんで頂きたい作品です。
また、クセのある教師役の石塚 義高さん、両親を演じた加納 明さんと井瀬 麻理さん、そしてチョッピリ伏線を含んだ存在の男友達を演じた山沖 勇輝さん……脇をガッチリと固めてくださった共演者の皆さんの演技も見逃せません。
魅力的な役者さんばかりです。

この10月末より1ヶ月間「スカパー!」での放映とネット有料配信がおこなわれます。
よろしければ秋の夜長にゼヒゼヒご覧下さい。

そして、出演者の皆さんの今後の活躍を応援していただけると幸甚です。


また本シリーズ12話中には、もちろん先に触れた比呂さんの監督作品があります。

「赤い部屋(主演:梨里杏)」
「死の十三階段(主演:神定まお )」


……こちらもぜひお楽しみ下さい!



Nightmareofthepapio02

  
なお、2012年末から2013年初めにかけて順次DVDリリースが予定されているとのことです。
そちらもぜひお楽しみ下さい。


―――― 久々にホラー・ファンタジーを撮ったもので、いつになく饒舌になってしまったようです(^^;)
このへんにしておいて、あとは視聴者の皆さんそれぞれの思いで楽しんでいただくことにしましょう。



※放映と配信の終了後、本文にリンクしたURLの情報は順次消去される可能性があります。
   
何卒ご了承ください。

               ………【追補】……

Katariya

「アイドル都市伝説シリーズ “猿夢”」は、シリーズ名を一新して2013年3月22日よりDVDの発売とレンタルが開始されることになりました。
全12話シリーズ中の3本が収録されています。

..       . 「潟裏弥(カタリヤ)ほんとにあった都市伝説」
第一話 “猿夢”
主演:加藤 里保菜
   (エイベックス iDOL Street e-Street TOKYO)
監督・編集・特殊効果:宮本 拓

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