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“小学生の皆さん相手に大奮闘!”

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―――― 僕にしては珍しく、実に慌ただしい年末です。

ようやく再開した映画『消滅戦街道』の準備。

それに加えて・・・これはフリーランスの身としては喜ばしいことなのですが、各方面から大小のお仕事を頂き、そのスケジュールが複数オーバーラップしているので、元々整理整頓の苦手な僕としては、プロデューサーさん、スタッフさん、そして出演者さんにご迷惑をかけないように予定をヤリクリするのが大変です。


そんな中、また若い方々を対象とした「特撮セミナー」の講師のご依頼まで頂きました。
・・・もう、そういう年齢になってしまったんですかねぇ。
自分では映像製作・演出畑 現役バリバリのつもりでしたが、そろそろ若い人々・・・後輩の育成にもチカラを入れねばならない世代になってきたようです。





2012年11月から12月にかけては、東京情報大学総合情報学部情報文化学科の伊藤 敏朗 教授のご依頼で『映像製作・特撮の基礎』をテーマに特別講義をさせていただきました。
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http://tep-motionpictures.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/post-074e.html





2014年7月には、NPO法人映画甲子園さん主催の『高校生のための特撮講座』で講師をやらせて頂きました。
Seminar04 http://tep-motionpictures.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/post-33f2.html

・・・そして今回、2015年12月5日には、東京ケーブルネットワーク株式会社さんのご依頼で『小学生のみなさんのための特撮セミナー』の講師をつとめさせて頂くことになりました。

小学生!? 特撮??

こりゃあ、難問中の難問でした。
以前ご依頼頂いたものとはワケが違います。

これまでは映像の基礎知識を持っている大学生や、学校で映研等に入っている高校生の皆さんを相手にお話しをさせて頂きましたが、今回は、ゴジラ、ウルトラマン、仮面ライダーなど、いわゆる特撮ものの番組や映画は知っていても、何の予備知識も持っていないピュアな小学生。

何を、どう説明すればいいのか??
散々悩みました。

そこで・・・・・

「みんなが観て楽しんでいる特撮ドラマは、その道のプロが苦労してつくっているものだが、ちょっと知恵を絞れば、みんなでも同じようなことをして楽しめる」。

「特撮はチームワークが大切。みんなが特撮をやりたいときには、まず友だちをつくることから始めよう」。

「お小遣いが少なくても大丈夫。創意工夫で、なんとでもなる」。

「決して、危ないことはしない! そして、ご両親や先生など、大人の人たちの話をよく聞く」。

・・・そんなことをテーマに盛り込みながら、話を進めていくことにしました。

―――― 当日。
僕は、子供たちの想像を超えるパワーと自由さに圧倒させることとなりました。
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そして、さすがに子供だし、途中で疲れたりした子も散見されましたが、最後まで熱心に話を聞いてくれて、どこまでも食いついてくる子供たちの気持ちに感動することになりました。

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当日は、アマリニモ忙しくて記録写真を撮る間もなく、会場の雰囲気を確認する写真しか撮れませんでしたので、帰宅後、セミナーで子供たちに説明した「簡単な特撮テクニック」を、セミナー会場から持ち帰った同じ道具立てで再現してみることにしました。

――― まずはこれ。


「怪獣と戦うヒーロー」の様子。

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怪獣は、市販のオモチャをちょっと改造してテグスで引っぱると腕が動くようにします。
オモチャの怪獣の腕を取り外して、布切れでくるんで接着して、ふにゃふにゃ動くようにするという、お子さんでも簡単に出来る加工です。
それを模型の街の中に置き、子供達に操作してもらいます。

ここで役立つのが「遠近法」です。

画像のように、カメラのすぐ手前に模型のセットと子供達の操作する怪獣をセットしておき、カメラからずーっと離れた場所に、ヒーローのマスクを付けてもらった大学生の方に立ってもらい、距離を離すことによって「怪獣とヒーローが同じ大きさに写る」ようにします。
モニターを見ながら怪獣を操作して、大学生のお兄さんにヒーローっぽいアクションをしてもらえば、ヒーローと怪獣の戦いが撮れます。

もちろん、ここでは「ミニチュアの作り方」も紹介しました。
100円ショップで工作用紙や厚紙を買ってくる。

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それでもお小遣いがモッタイナイと思ったときは、ご両親に相談して、家の中で余っているダンボールなどの箱を分けてもらう。
それも立派な材料になる。


それもまた難しい・・・と思ったら、おうちの近所や学校の行き帰りに、気に入った家やビルの写真を撮り、プリントアウトする。
それを切り抜けば、いわゆる「書き割り」が出来上がり。

ヒーローと怪獣の戦いもそうですが、自分達で切り抜いた建築物の写真を立てて、それを持参したスマホで撮って「本物みたいだ!」と喜んでくれる子供達の姿に救われた気がしました。


・・・ここで、ザンネンなことがひとつ。

セミナーの時間は限られています。
それで、準備したものを使えない状況になってきました。

ヒーローと怪獣が戦う・・・その見せ場として、必ず「破壊される建築物」が登場します。
プロならば、石膏や強化ガラス、プラスチックや金属板で作るシロモノですが、子供には無理です。
ましてや、身長が20センチもないオモチャの怪獣では、よほど壊れやすいもので作らないと、失敗します。

そこで僕が選んだ材料が「100均で買えるお菓子」です。


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平面で面積の広い「エビせんべい」や「クラッカー」で、ビルを作ります。

・・・これが、使えませんでした(^^;)

試作品は作ったので、それに怪獣のオモチャをぶつけてみたら・・・見事に壊れてくれました。


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これをスローモーションで撮影したら、けっこう迫力が出たのではないかと思うと残念です!



・・・ここで、ひとつ注意点!

100均で買える安いお菓子とは言っても、食べ物であることには変わりありません。
つまり、食べ物を遊び道具として使うことになります。
これは、ちょっとマズイことですよね。

そこで、参加者の方々に配布したパンフレットに「父兄の皆様へ」と注意書きを加え、工作で余ったお菓子はオヤツとして子供たちに食べてもらうこと。
それでも抵抗を感じる場合は、多少値段は高いが幼児向けにうっかり口に入れたり手に着いても健康被害のない「小麦粘土」という製品があるので、よく検討して子供たちに与えてあげてほしい・・・と、お願いをしておきました。

・・・こういったところ、気を遣いますネ!(^^;)

―――― 続いて「飛行機の飛ばし方」・・・いわゆる操演(ソウエン)です。
普通、動画はカメラを水平にして撮影しますが、特撮の場合はそうとは限らない・・・ということをわかって欲しかったんです。

まず、飛行機(市販の小さいSFメカ)をテグスで縦に吊ります。
背景は、空の写真をプリントアウトしたものです。

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カメラは水平でなく「縦」に構えます。
カメラ手前には、女性が化粧を落とすときに使うコットン(綿)をほぐして雲に見立てたものを接着した透明な板をセットします。
背景の空をユックリ上に持ち上げ、カメラ手前のコットンの雲を貼り付けた透明板を速めのスピードで上に持ち上げます。

これで、雲の間を飛ぶ飛行機の映像の完成です。




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・・・ここで「特撮の場合、カメラは水平に撮るだけとは限らない」ということを理解してもらったうえで「火山の噴火」に挑戦です。


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水槽(これも100均で買った透明のプラスチックケースです)の側面に、火山の写真を貼ります。
ペットボトルを切り、飲み口にストローをテープ取り付け「漏斗」を作ります。
水槽の中には、水をタップリ入れます。
そこに貼られた火山の噴火口の部分に漏斗を取り付け、オレンジ色のセロファンを被せた懐中電灯を当てて明滅させます。
その様子を、「カメラを逆さまにして」撮ります。
漏斗からコゲ茶色の絵の具を垂らします。


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・・・・これが、出来上がりの映像です。




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―――― 途中で休憩を挟みつつのセミナーで、子供たち、退屈かなぁ・・・と思ったのですが、最後まで付き合ってくれて、仕掛けを披露するたびに歓声を上げてくれました。
最後には、同伴のお母さんと一緒に「楽しかったです。ありがとうございました!」と言ってくれました。


感無量です。


この子たちが将来、みんな映像関係の仕事を目指す・・・とは、僕も思っていません。
ただ、こういった経験を通して、社会に出て、どんな仕事でも大切な、

「創意工夫すること」

「チームワーク」

「失敗しても、諦めない」

・・・そんなことを感じてくれていれば、望外の喜びです。





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