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2016年11月

思い出の品・・・発掘!(笑)

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仕事に使う資料を家中の書類ケース引っ掻き回して探してたら、こんなのが出てきました。
 
映画『目覚めよと呼ぶ声あり』
絵コンテの分厚い束と、イメージボード。
このブログをときおりご覧いただいている方々ならばお解りでしょうが、この作品、1989年の完成だから、描いていたのは88年頃・・・古っ!(^^;)


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             『目覚めよと呼ぶ声あり』 ダイジェスト版
        https://www.youtube.com/watch?v=HD01oTV_b9o        




・・・このことをfacbookに書いたところ、学生時代の先輩が、こんな画像を送ってくれました。
短編映画 『異端の森』の絵コンテです。


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これは学生時代だから、もっと古い。
二十歳そこそこの頃かなあ。
1985年に完成した作品です。
いやぁ、よく保存してくださってたものです。
僕の手元にも残っていません(笑)
 
               『異端の森』 ダイジェスト版
         https://www.youtube.com/watch?v=wcratDAC4XI 



これらの絵コンテ。今、自分で見ても いやぁ・・・描きも描いたり(笑)
 
あの頃からワカゾウ新米ディレクターとして仕事を始めて3年めくらいまでは、自分で書いたものでも他のライターさんが書いたものでも、演出する作品の脚本は必要と思われる全カットを絵コンテに描き起こさないと気が済まない性分の人間でした。
 
絵コンテを描くのに3日ばかり徹夜・・・というのも日常茶飯事でした。
 
特撮(後にはこれにCGが加わる)の必要な作品では、絵コンテに加えてシーンの全貌が解るイメージボードも描いていました。
 
 
・・・やがて その方法が自分の肌に合わないと気づいて、必要とされる部分しか絵コンテを描かなくなったのです。
 
僕は極めて要領の悪い男です。
 
意地になって全カットの絵コンテを描いてしまうと、現場での作業の無駄を省き合理的に進めていくために描いていたはずの絵コンテが「重い宿題」となってしまい、今日このカット数を撮り切らないと次に進めないということばかりが気になって本来の演出の仕事から解離した「宿題をこなす作業」となり、融通が効かなくなってしまっているのに気づいたんです。
 
コンテは日々の状況、撮影現場の環境によって柔軟に変わるべきものであり、それによって役者の芝居も引き立ったり、特殊効果がより生きてくるわけで、粛々とコンテを消化するだけの作業になってしまっては振り幅が狭くなってしまいます。
 
全カットを絵コンテに描いてから撮影したほうが良い・・・という方もいるのは理解しているし、その大きなメリットも理解しているつもりですが、その方法は僕とイササカ相性が悪かったようです。
 
こうして、現場でスムーズに仕事を回せるようになったのだから、皮肉なもんです。
 
今でも、ことに特撮やCGなどが深く関わってくる部分は絵コンテを描くのは当然と考えていますが、ドラマパートをマスターショット型式で撮るようになってからは、僕の場合は振り幅を広く持たせたほうが役者の芝居の良さが生かせるので、描き起こす絵コンテは必要最底限となっています。
 
当然、VPやコマーシャルVなどの企画をクライアントにプレゼンする場合は絵コンテやイメージスケッチなどの材料は添付資料として必要不可欠となるわけですが、それはまた別のお話。
 
・・・こんなものが今頃になって出てくるとは。
 
嬉しくもあり、恥ずかしくもあり、ですネ(^^;)
 
                   ★ATTENTION★

ここからは、チョットお知らせです。

久しぶりに、モデルグラフィックス誌で記事を書かせていただきました。


   『東宝特殊美術部 外伝 ~模型少年、映画屋になる!?~』上下巻。

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映画研究者・特撮研究者にとって、30年にいちど出るか出ないかという名著・・・まさにバイブルです。
未公開写真や知られざる事実が満載。
これはもう、必読の書です。


今回、光栄なことに長沼さんからのご指名で、モデルグラフィックス12月号に紹介文を書かせていただきました。


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著者「にに たかし」さんこと長沼 孝さんは、東宝の『ゴジラシリーズ』や特撮を使った戦争映画、『日本沈没』などのパニック映画で、1970年代から90年代初めにかけて撮影用ミニチュアの設計・製作の第一線で活躍され、日本映画史に足跡を残された方です。





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一人でも多くの方に読んでいただきたい、とにかくスゴイ本なので・・・及ばずながら応援の一助になれば幸いです。
 
・・・・この上下2巻、ぜひ書店でお手にとってご覧下さい。
 
 
         

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“小学生・特撮セミナー2016”

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昨年12月、東京ケーブルネットワーク株式会社さんのご依頼で『小学生のみなさんのための特撮セミナー』の講師をつとめさせていただきましたが、それがお陰様で好評だったとのことで、2回目を催すことになりました。

前回は初めてということもあり、小学生の皆さんにも安価で簡単に出来る特撮テクニックをアドバイスさせていただきましたが、それを踏まえた上で、小学5年生のみんなが3つのグループに分かれ、それぞれ一本ずつ実際に映画をつくることになったとのことで、その作品内容に必要な特撮の方法をお教えするというのがテーマとなりました。


―――― お話をいただいたとき、僕はてっきり「小学生くらいの年齢で特撮を使った映画をつくりたいというと、きっと怪獣物かヒーロー物だろうな」と思っていました。

ところが、お送りいただいた3本の作品の脚本を読んで、驚きました。

ちょっとこれ、見てください!



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ビギナーさん、しかも小学5年生が書いたものなので正式な脚本のフォーマットにはなっていない、しかも拙い文字での手書きの原稿・・・。

ところが、内容は立派なファンタジーです。
これを原案としてライターさんがブラッシュアップすれば、TV放映を前提とした15分物のショートドラマの脚本として通用する内容です。

もちろん、ここまで書き上げる過程では周囲の大人の方々の手助けもあったことでしょう。
何度もみんなで話し合い、書き直したことでしょう。

しかし、あくまで元々のアイデアを出してストーリーテリング・・・起承転結を考えたのは、小学5年生の皆さんなのです。

感心してしまいました。


大人・・・プロの皆さん、そしてインディーズで自主映画を撮っている皆さん、これはウカウカしていられませんよ!
ヘタな脚本を書くと、小学5年生のみんなに「なにこれ??」と呆れられますよ!(笑)



・・・今回のセミナーでは、その脚本にあるシーンをどうやったら具体的な映像イメージとして創り上げられるかを説明していきました。


例えば・・・・

・公園のゴミ箱が燃えだして火事になる。
(子供たちに本物の火を使った撮影をさせるわけにはいかない)

・街を消防車が走り抜ける。
(本物の消防車を撮影に使うことは、もちろん不可能)

・樹の枝に二人の妖精が腰掛けていて何事かを話し合っている。
(アフターエフェクトなどの高度な編集ソフトは使えない)

・猫が、人物に変貌する。
(普通のオーバーラップ処理ではつまらない。もっとファンタジックな効果を・・・)


ひとつひとつ、子供たちと一緒に準備して、実際にiPadで撮影していきました。



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ミニチュアを使ったり、写真の切り抜きを使ったり、水槽と水を使ったり・・・と工夫を重ねて、ワンカットずつ撮っていきます。





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・・・とにかく、子供たちの「粘り」と「こだわり」には脱帽しました。


途中、僕のセミナーが今日だけだと知った男の子が、ボランティアスタッフの方に
「ずっとこの先生がいい」
・・・とゴネているのを見かけて、ガラにもなくウルッときました。
世の中、捨てたもんじゃないですね(笑)



高性能HDビデオカメラ、動画モードのある一眼レフ、iPadに加えて、高機能の編集ソフトが誰にでも手に入る昨今。

そういったモノに甘えがちになってしまったオトナ達が、ともすれば忘れてしまう“大切な根っこの部分”・・・「撮るための創意工夫」に食いついてくる子供たちを見ていると、チョット嬉しくなりました。

僕自身、良い勉強をさせてもらった気分です。










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