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2017年3月

日本/ネパール合作映画・特撮パート始動開始!

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―――― 2015年秋から、盟友・東京情報大学の伊藤教授の監督作品『カトマンズの約束』(日本/ネパール合作映画)に参加していることは以前にも書きましたが、もろもろの準備を経て、この3月から僕が一任されている特撮パートの撮影を開始しました。

その初日は、もっとも人手が必要とされるシーン・・・ネパール側の主人公が余震によって起こった土砂崩れに車ごと飲み込まれるシーンです。


自分の監督作品にせよ、他の方の監督作品にサポートとして入る形にせよ、本編ドラマパートの撮影で実際に使ったクルマの特撮用ミニチュアを作ったことは過去に何度かありますが、今回は勝手が違って少々焦りました。
なにしろ、カトマンズでのロケで使った車というのがISUZUトルーパー(ISUZUビッグホーン後期タイプの輸出専用車。2003年に製造中止)。



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さすがに、そんなレアなクルマは市販品の模型、ミニカーなどが販売されていません。
つまり特撮用ミニチュアとして使えそうな既製品がありません。

そこでアチコチ探し回って、まぁ似てるよなァと思えるラジコンモデルを数台購入、切り刻んで組み合わせ、切った貼った盛った削った!で形にするという作戦に出ました。



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こうしてピアノ線またはテグスで引っ張ればコロコロ走り、サスペンションが本物の四駆みたいにグニャグニャと効く、全長約30センチ(撮影用語で“一尺もの”と言います)のISUZUトルーパー(もどき)が完成。
細かく観察するとあっちこっち形が違いますが、ほんの数秒の特撮カットだから、とりあえず大丈夫でしょう(笑)


・・・さて撮影です。
カトマンズ郊外でロケをおこなった地形を、いつもお世話になっているお友達の監督さんお手製のセットをお借りして飾り付け、マイナーチェンジさせることで再現しました。



こちらがカトマンズ郊外のロケ地で撮影中、ロケハン写真を撮っている様子とISUZUトルーパー。

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こちらはセットとトルーパーのミニチュアモデル。
地面の色が違いますが、これは手前に縮尺の合う芝などの植物をナメて撮ることで解決します。

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強い地震の後に襲ってきた余震による土砂崩れだから、地滑り的な表現が最適だろうとチョットこだわって、撮影方法とセットへの仕掛けを考案。

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先に書いた通り、トルーパー自体もサスペンションが利くように作っておいたので、16倍のハイスピード撮影の効果もあり、加えて何度もセッテイングを繰り返して粘っただけあり、なかなか良い絵が撮れました。
そのかわり、撮影が終わった頃には みんな土まみれ、ホコリまみれ(^^;)
でも、こういう撮影だからこそ “粘ること” は大切ですネ。



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ちなみに今回の撮影では、サポートスタッフの方々以外にも出演者として活躍した俳優さんたちまで手伝いに駆けつけてくれて、楽しく仕事を進めることができました。

皆さん、本当にお疲れ様でした!



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・・・これで当初からもっとも心配していた特撮の山場を超えましたが、カトマンズのシンボルだった塔が地震によって倒れるシーンを再現するための合成画面用素材の撮影、ヘリコプターの飛行シーンの撮影など、まだまだ撮影は続きます。




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それらを撮り終えたら、ようやく伊藤監督にバトンタッチでお役ご免。
自分の作品『消滅戦街道』の特撮準備と、次に撮る予定の作品(僕としては珍しいサスペンス仕立てのポリスストーリーです)の諸準備に戻れます。




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こちらも進展状況を随時ご紹介していく予定です。

ご期待ください(^^)

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合作映画 ミッション・コンプリート

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2015年の準備段階から参加させていただいている日本/ネパール合作映画『カトマンズの約束』の本編ドラマ部分がクランクアップ、僕が担当する特撮部分の撮影に入ったということは前回書きましたが、それもようやくすべての作業が完了して、映画そのものが見事クランクアップしました。

・・・この作品は、2015年4月25日に発生して大きな被害を出したネパール大震災の実話をもとに、国境を越えたラブストーリー、そしてネパールの人々と日本の絆を描くもので、震災そのものの描写も含まれています。

実際、我々が本編ドラマ部分のロケでカトマンズを訪れた時は、人々は平常通りの生活を営んでいましたが、それでも街のいたるところに片付けられない瓦礫の山・・・震災の爪痕が残っており、その状況をそのまま生かして撮影しました。


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この震災の様子を再現した映画は本国ネパールはもとより他国でも例が無く、我々の作品が初の試みになるとのことです。


・・・震災のとき、カトマンズのシンボルのひとつだったダラハラ塔(高さ約62メートル)も倒壊しました。

前回の「土砂崩れに巻き込まれる主人公の車」の撮影に続き、まずは倒壊するダラハラ塔の再現です。

様々な技術的な検討の末、屋外でのミニチュア撮影とブルーバック合成を併用することにしました。


こちらが本物の、在りし日のダラハラ塔。

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こちらがミニチュアで再現したダラハラ塔。
約1/80の縮尺です。

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太陽光の下、16倍のハイスピード撮影で倒壊する様子を捉えます。

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こうして撮影したものの他、ミニチュアをブルーバックで撮影して、現地カトマンズで撮影した写真と注意深く合成しました。
(モニタ画面は制作途中のものが映し出されています。この後にタイミングを計算しながらスケール感を重視した土煙と火柱、揺れる樹木を丹念に合成していきました)


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折れる塔の根元の部分もミニチュアで再現。
これもカトマンズで撮影した現地の写真と合成。
飛び散る瓦礫や盛大に上がる土煙も加えます。

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―――― 続いて室内での撮影。

劇中、災害派遣された隊員たちが崩壊寸前の建物からお年寄りを救出する場面があります。

その「崩壊する建物」の撮影です。

これもミニチュアによる特撮となりますが、その材料はカトマンズ現地の地震による建物崩壊現場から回収した木片、板、柱などを使っています。

つまり「実際の震災で破壊された建築物の遺物」を撮影に使用しました。


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―――― つづいて、主人公たちが震災発生の知らせを受け、カトマンズに向かうため空港までヘリで飛ぶシーン。

ドラマ部分ロケ撮影の際、千葉消防局の方々のご協力を賜り、実際にヘリを飛ばしていただいたので、撮影で飛んでくれたヘリを精密なミニチュアで再現してのグリーンバック合成撮影です。


こちらがドラマ撮影時に使わせていただいた千葉消防のへリ、ドーファン。


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それを1/35縮尺で再現したミニチュア。

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ミニチュアはローターが回転するように作られているので、これを実景に合成します。


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・・・撮影が終わったとき、現場にいた全員が土埃と煙を再現するために使ったセメントと肥料まみれ!

かなり、疲れました(笑)


・・・完全なクランクアップ後、撮影した各種映像素材を丁寧に合成。
総監督の伊藤先生にお渡しして、全工程が終了しました。



あらためて、撮影に参加してくださった皆さんに心より感謝します。
本当にありがとうございました!



今週、伊藤総監督は最後の編集仕上げの打ち合わせと現地でのプレミア上映・舞台挨拶の段取りを終わらせるため、カトマンズに発ちます。


公開目標日は震災がネパールを襲った日・・・4月25日です。


これから最終編集、音響の作業・・・と、まだまだ総監督 伊藤先生の奮闘は続きます。



・・・僕自身は、日頃たいへん御世話になっている方の映画の特撮監督を正式なお仕事として拝命したという重責から解放されてホッと胸を撫で下ろし、またまた仕事の合間をぬって自分の作品『消滅戦街道』の特撮スタンバイと、次回作の「女性刑事を主役に据えたサスペンス物」の諸準備に戻ります。




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     次回作『EMBLEM ~悲しき紋章~』ビジュアルイメージ第一弾。






しかしながら、今更ですが・・・みんなで何かを創るというのは、本当にいいものですね!

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合作映画・ドキュメンタリー作品 公開

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先のレポートでも触れた日本/ ネパール合作映画 『カトマンズの約束』。

その特撮シーンの撮影を、若手ドキュメンタリー作家の成富紀之さんが密着取材。
短編ムービーを公開しています。

成富さんは優れたジキュメンタリー作品をyoutubeにアップし続けている映像クリエイターです。
この密着ドキュメントも面白く仕上がっています。

ぜひご覧下さい!(^^)

『ドキュメンタリー ミニチュア撮影の世界』

・・・さて、2015年3月中旬。
総監督の伊藤先生がカトマンズに赴き、絶賛編集仕上げ中です。

カトマンズで撮影された、俳優陣の熱演が光る本編ドラマ部分。

先にリンクをはらせてもらった成富さんのドキュメンタリーでも扱われている、遠く離れた東京で撮影された特撮部分。

・・・この2つの要素を、巧みに組み合わせねばなりません。

現在、カトマンズ現地から次々と進行状況の報告や、編集された映像の一部が送られてきています。

いろいろ計算したうえで、あれだけ粘って撮ったのだから・・・という確信と、あれでホントにうまくいったんかいな?? という不安が半々でしたが、送っていただいた映像を拝見すると・・・やれやれ、どうやらうまくつながってくれたようです。

成富さんのドキュメンタリーの中でもボソボソと呟いていますが、特撮カットが入ることによって、役者の芝居を殺してしまうことがいちばん怖いんです

でも、その心配もなさそう。

・・・特撮の責任者として、ホッと一安心です(^^ゞ


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合作映画・予告編 初公開!

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以前より時折書いていた合作映画の正規版予告編が公開されました。

日本/ネパール合作映画 『わが愛 ~カトマンズの約束~』
(脚本/監督:東京情報大学教授 伊藤敏朗)

予告編・正規版90秒バージョンです。
ネパール大地震・東日本大震災を背景に、復興を通しての日本とネパールの交流・人々の絆と愛情を描く作品です。
僕は本編ドラマ部分サポート/特撮監督を担当させていただきました。
2017年4月カトマンズにてプレスリリース、9月に現地にてプレミア公開。
日本国内公開は2018年春以降の予定です。

ぜひご覧下さい(^^)

https://www.youtube.com/watch?v=elN1gfeW_Bs&feature=youtu.be

A collaboration film between Japan and Nepal.
"My love ~ promise of Kathmandu ".
It is a movie depicting friendship and love of people against the backdrop of the recovery from the disaster of both countries.
I was in charge of drama advisor and special effects director in this movie.
This film will be released in Kathmandu premiere in September 2017 and will be released in Japan in 2018.

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